その名も「苦い」……医者要らずの薬草は食べても飲んでも塗っても万能
アラビア語で「苦い」を意味する薬草を知っていますか。古い家の軒先なんかに巨大化したものがよく置いてあるのを見かけます、アロエのことなんです。
紀元前3世紀には、マケドニアの大王が負傷した兵士の傷にアロエを塗ってやったとか、宋時代の中国では、重度の湿疹の子どもにあぶったアロエを湿布したところ、たちまち治ったとか……アロエの薬効を語る逸話は世界各国で枚挙に暇がありません。日本に伝わってきたのも鎌倉時代と古く、その頃からやけどや傷、痔などの治療に重宝されていたそうです。
アロエに含まれるアロエチンには強力な殺菌作用、防カビ作用があり、大腸菌やチフス菌、赤痢菌や水虫菌まで撃退してくれるほか、やけど、すり傷、切り傷の消毒にも効果があります。
おろし金でおろしたアロエを精製水で薄めたアロエ化粧水は、にきびに効果的。アロエチンのもつ、細菌が出した毒素を中和させる作用がにきび菌を抑えてくれます。アロエチンと同じように豊富に含まれるアロミチンには、抗腫瘍作用があり、ガンや白血病、肉腫への効果が確認されています。胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などにもいいといわれるのは、アロエウルシンと呼ばれる抗潰瘍作用のおかげ。炎症をしずめ、傷を修復してくれます。
切ると断面からでてくるネバネバの正体はアロエボランと呼ばれるもので、血糖値を下げる働きがあるとされています。糖尿病や肝臓病への治療薬として、古くから民間療法では使用されてきました。
正に医者要らず、万能の植物アロエ。葉をむいて、中のゼリー状の部分をそのまま食べてもよし、薄めて肌に塗ってもよしですが、苦味やべたつきが若干気になります。そこでおすすめしたいのが、飲用です。焼酎に、アロエの葉、レモン汁しょう症、氷砂糖を漬け込むだけで、一ヵ月後には美味しいアロエ酒が出来上がります。寝る前にお猪口一杯のむようにすれば、アルコールの作用で深い睡眠も得られますよ。百パーセントフルーツジュースに少々の酢と、すりおろしたアロエを混ぜたアロエジュースもなかなか爽やかで、夏にはおすすめです。